交通分野におけるSDGsとは?取り組むメリットや企業の取り組み事例を紹介

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交通分野におけるSDGsとは?取り組むメリットや企業の取り組み事例を紹介

交通は、人々の生活を支える重要な役割を担っている一方で、環境や社会への影響も大きいです。そのため、SDGsとの関連性も高く、近年は交通関連の企業のSDGs実現に向けた取り組みが加速しています。

この記事では、交通分野とSDGsとの関連性や、交通分野の企業がSDGsに取り組むメリット、企業の取り組み事例などを紹介していきます。交通関連の企業でSDGsに興味関心のある担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

交通分野とSDGsとの関連性

SDGsを実現するにあたって、交通分野では以下3つの目標達成に貢献できます。

  • 3:すべての人に健康と福祉を
  • 11:住み続けられるまちづくりを
  • 13:気候変動に具体的な対策を

それぞれどのような関連性があるのか、具体的に説明していきます。

SDGs3:すべての人に健康と福祉を

マイカー通勤から自転車や徒歩、公共交通機関などのエコ通勤に切り替えることで、肥満予防になります。具体的には、公共交通機関を利用することで約2倍のカロリー消費が見込めると言われています。

その結果、労働者の疾病予防や健康促進につながり、SDGs3の実現に近づくでしょう。

参考:バス(公共交通)×SDGs 「“バスDGs”宣⾔」 | 沖縄県

SDGs11:住み続けられるまちづくりを

高齢者や若者を含めてすべての人が使いやすい交通手段が提供されれば、住み続けられるまちづくりが実現されます。その結果、市民の満足度が高まり、都市への人口流出を防げるでしょう。

SDGs13:気候変動に具体的な対策を

公共交通機関を利用することで、マイカー通勤と比較してCO2排出量を削減できます。

国土交通省によると、2022年度の運輸部門からの排出量は1億9,200万トン。そのうち、自家用乗用車の占める割合は8.609万トンであり、すべての公共交通機関が排出するCO2よりもはるかに多くのCO2を排出しています。

交通分野の企業が率先してSDGsを推進することで、気候変動対策にもつながるのです。

参考:環境:運輸部門における二酸化炭素排出量|国土交通省

交通分野の企業がSDGsに取り組むメリット

交通分野の企業がSDGsに取り組むメリットを3つ紹介していきます。

環境問題の解決につながる

企業が一丸となってSDGsに取り組むことにより、温室効果ガスの排出量削減につながります。なぜなら、脱炭素や省エネなどの製品が積極的に開発・利用されるからです。

さらに、SDGsを意識することで、リサイクルなど資源を大切にする動きも活発になることが予想されます。

企業のブランディングになる

2023年6月のTDB景気動向調査によると、実際にSDGsに取り組んでいる企業は27.4%です。そのため、SDGsに取り組んでいない企業と差別化を図ることが期待できます。

また、世界的な社会目標に取り組むことで企業のイメージ向上につながります。

参考:SDGsに関する企業の意識調査(2023年)|TDB景気動向オンライン

新しいビジネスチャンスを発見できる

SDGsに取り組むことにより、SDGsに積極的に取り組んでいる企業とつながる可能性が広がります。また、環境・社会・ガバナンスの3つを重視した取り組みをしている企業に向けてのESG投資も見込めます。

交通分野でSDGsを実現するためにできること

交通分野の業界ごとに、SDGs実現に向けてできることを紹介します。

鉄道業界

鉄道業界がSDGs実現のためにできることとして、燃料の転換が挙げられます。

例えば、ハイブリット列車や水素動力車両を導入することで、JR東海はCO2排出量を約30%削減することに成功しました。

他にも、CO2排出量を削減するために、ブレーキをかけた際に発生するエネルギーを駅の照明などに活用しています。

環境面だけでなく、車両や駅施設をバリアフリー化することで、誰もが住み続けられるまちづくりにも貢献できるでしょう。

自動車業界

自動車業界がSDGsのためにできることには、主に技術開発やクリーンなエネルギー利用などが挙げられます。これから高齢者が増加していく日本で、誰もが安全に移動できる自動運転技術の開発が期待されます。

また、燃料をハイブリットにするなどクリーンなエネルギーに代替えする、製造過程のCO2排出量を削減することなども可能です。

タクシー業界

タクシー業界が達成可能なSDGsとして、ジェンダー平等、働きやすい環境づくり、環境保全への取り組み、社会福祉のための取り組みなどが挙げられます。

ジェンダー平等を達成するためには、性別にこだわらず採用することなどが挙げられます。働きやすい環境づくりとしては、乗務員が選べる豊富な勤務形態を整備することや、ドライブレコーダーの設置により乗務員の安全を守ることなどがあります。

環境保全のためには、ハイブリッド車を導入することが効果的です。さらに、社会福祉のためにできる取り組みとして、ユニバーサルデザインのタクシーを導入することも効果的でしょう。

これらを実現することで、誰もが暮らしやすいまちづくりの貢献に繋がります。

バス業界

バス業界がSDGs実現のためにできることは、主に地域公共交通の活性化と環境保護です。

国土交通省のデータによると、2022年度のバスによるCO2排出量は約333万トンです。CO2排出量を少しでも削減し、環境保護を達成するためには、EVバスを導入することが有効です。

また、アイドリングストップも環境保護につながります。独立行政法人環境保全機関によると、35秒アイドリングを行った際の排出量の平均低減率は、ガソリン車の場合44%です。アイドリングストップをするだけでかなりのCO2排出削減が見込めます。

さらに、地域公共交通の活性化として、ICシステム、時刻・路線数の整備をすることなども挙げられます。

航空業界

航空業界がSDGsのためにできることの一つとして、太陽光パネルの設置があります。

国土交通省航空局は、2021年6月に太陽光発電導入を促進する方針を公表しました。主に、空港敷地内および空港周辺10キロ圏内の未利用国有地を利用する方針です。現在、太陽光発電の設置が可能な場所は日本国の空港内で合計約1万5000ヘクタールあります。

太陽光パネルを設置することで、年間100万トンのCO2排出量を削減できる見込みです。

ヨーロッパの交通SDGsの取り組み

環境先進国のヨーロッパでは、SDGsを実現するために、自転車の利用を推進しています。実際にEU 内では、年間1,600万トン以上のCO2排出量の削減を実現し、ガソリン代など年間約6億563万ユーロの節約に成功しました。

この取り組みは、SDGs9(産業と技術革新の基盤をつくろう)とSDGs10(人や国の不平等をなくそう)の達成につながります。

他にも、都市中心部で車通行の禁止や規制をして、歩行者や自転車を優先するカーフリーデーが設けられています。カーフリーデーの導入によって、実際に交通事故が減少しているそうです。

交通分野の企業のSDGs取り組み事例

ここでは、日本の交通関連企業の取り組み事例を3つ紹介していきます。

国際交通株式会社

国際交通株式会社は地域/社会、環境、人材の3つを切り口としてSDGsに取り組んでいます。

地域/社会の取り組みが交通安全・事故防止です。交通事故を減らすために、組織が起こす重大な交通事故のリスクを減らすツールであるISO国際規格を使用しています。

環境の取り組みとしては、通常のガソリンと比べCO2排出量が約85%少ないJPNTAXIへの切り替えが挙げられます。さらに、グリーン経営認証を取得し、乗務員への環境に対する意識づけにも取り組んでいます。

人材への取り組みが、乗務員の健康管理です。乗務員の健康を守ることで、お客様の命を守ることにつながるからです。その成果が評価され、「働きやすい職場認証」や「女性ドライバー応援企業」という認定をもらっています。

ホンダ

ホンダは、「技術は人のために」という精神のもと、主に4つのSDGsの取り組みをしています。

1つ目は、環境-未来につなげる-です。次世代に”豊かな自然”を残すための活動に積極的に取り組んでいます。

  • SDGs 15:陸の豊かさを守ろう
  • SDGs 14 :海の豊かさを守ろう

2つ目は、学ぶ-夢・わくわく-です。子供たちが情熱をそそげる環境づくりに尽力しています。

  • SDGs 4 :質の高い教育をみんなに

3つ目は、安全-守る-です。この取り組みは、地域社会と協力して実施しており、以下のSDGsにあてはまるでしょう。

  • SDGs 3 :すべての人に健康と福祉を
  • SDGs 11:住み続けられるまちづくりを

4つ目は、コミュニティ-協力し合う-です。この取り組みとして、災害支援や清掃活動、花壇づくりなどグループ会社で多岐に渡る取り組みを実施しています。

  • SDGs 1 :貧困をなくそう
  • SDGs 2 :飢餓をゼロに
  • SDGs 3 :すべての人に健康と福祉を
  • SDGs 10 :人や国の不平等をなくそう
  • SDGs 11:住み続けられるまちづくりを

西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)

JR西日本グループは6つの分野に分けてSDGsに取り組んでいます。

1つ目は、安全、安心で、人と地球に優しい交通です。
安全を実現していくために、社員一人一人の行動指針として、安全確保に向けた連帯などにかかわる計5つの行動を指す「安全憲章」を定めています。技術面では、電力貯蔵装置や直流電力変換装置を設けるなど省エネに励んでいます。

2つ目は、人々が行きかう、いきいきとしたまちです。
地域の分断・交通渋滞を解消する連続立体交差化工事、駅改良工事などより快適に鉄道を利用するために駅のリニューアルを行っています。

3つ目は、一人ひとりにやさしく便利で豊かなくらしです。
取り組みとして鉄道・ショッピングで貯めたポイントを相互に利用できる「WESTER ポイント」を提供しています。110円につき1ポイント貯まる仕組みです。また、駅に近い仕事場を提供する「+PLACE」も提供しています。

4つ目は、持続可能な社会です。
地域活性化ソリューションとして、観光活性化、産業活性化など5つのシーンに分けて多様な事業を行っています。

5つ目は、地球環境です。
脱炭素社会に向けて、2030年までにCO2排出量を50%削減する目標を掲げています。そのために、再生可能由来の電力導入、駅ごみ、列車ごみリサイクル率を上げるなど豊富な取り組みを行っています。

6つ目は、価値創造の源泉であるひとづくりです。
一人ひとりのライフイベントを踏まえた上での人材育成や、多様な人財が活躍できる環境づくりのダイバーシティ&インクルージョンの促進などに取り組んでいます。

まとめ

この記事では、交通分野とSDGsとの関連性や企業がSDGsに取り組むメリット、具体的な取り組み事例などを紹介しました。交通SDGsに取り組むことで社会だけでなく、企業にもたらされるメリットもあります。

ぜひこの記事で紹介した交通機関ごとにできることを参考に、SDGsに取り組んでみてください。

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